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フォーラム記事

ぐぅ先
2021年3月28日
In 物語の森
たたき台として作成。勢いに任せて考えたので、かなりキラーパスだと思います。 ……いや、キラーサーブ? ------------------------------------ ある~ひ♪ もりの~なか♪ くまさ~んに♪ であ~った♪ 童謡の「森のくまさん」とは、熊と少女のやりとりを描いた歌である。 ……そして今この場では、歌の冒頭とまったく同じ状態になっている。 「マジかー……」 少女と呼ぶにはわずかに遅いような、現代日本においては高校生くらいの女性は呟いた。 ……ここはまさに森の中。童謡の明るい雰囲気とは異なり、薄暗くて鬱蒼(うっそう)としている。 ある日、森の中。 そう、彼女の前方には「いる」のだ。「熊」が。 熊は猛獣として有名である。 現代においても、その驚異を完全に廃することはできず、 毎年、片手で数えられるほどではあるが「犠牲者」が発生しているという。 そして今ここにいる女性は、特別な訓練を受けているわけではない。 よって、襲われたらひとたまりもないのだ。死を覚悟しなければならないだろう。 ……だが。 問題なのは、そこではない。 いや、厳密にいえば熊がいることは驚異である。 驚異ではあるのだが、正確に表すとそんなことは些事に過ぎない。 何故なら、彼女の目の前に熊がいるからだ。 「逃げるのと遺書書くの、どっちにすればいいかなー……、あはは」 ……違う。 彼女の目の前に「熊たち」がいるからだ。 なんと、見える範囲では五匹ほどが列を作り、彼女の目の前に並んでいる。 列は途中で木々に隠れて見えなくなっているが、もしこの列が先までずっと続いていたら……。 「………………」 彼女は考えた。 まず仮に「逃げる」場合。 森の中なので足場が悪く、うまく走れないことが予想される。 すなわち、なにか工夫をしなければ「追いつかれる」のだ。 次に「遺書を書く」場合。 ……無論、達成できたところでなんの意味もない。 しかもこの状況で文字を書くなど、逃げるより難しいだろう。 まず紙とペンを取り出すだけで「ゲームオーバー」だ。 しかし、そんな彼女の頭の中に、何者かの声が響く。 ――力が欲しいか。 「……っ!! だ、だれ!?」 ――力が欲しいか。 「あ、これ漫画でありがちなやつだ! 欲しいです!」 ――よろしい。ならば力をくれてやろう。 なんて僥倖(ぎょうこう)だろう。 きっと神様が手を差し伸べてくれたんだ……、彼女はそう思った。 そして次の瞬間。 ………………。 ……「熊」がみるみる内に「大きくなった」。 およそ身長が倍くらいになっただろうか。それも一匹や二匹ではない。 全部だ。 全部の熊が巨大になったのである。 「なんでよ!!!!」
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